こんにちは!今回は、「南アルプス南部」に興味がある方・これから9月の同時期に登山を計画している方に向けて、私たちの2025年9月21日〜22日の山行レポートをお届けします。この地域は情報も少なく、「アクセス方法が複雑」「登山口までが大変」など、計画時に悩む方も多いですよね。この記事では、実際に現地を歩きながら感じた事や、現地でしかわからないリアルな情報、山小屋の雰囲気も詳しくご紹介します。
【南アルプス南部の魅力とルート選び】
南アルプス南部は、北アルプスや南アルプス北部と比べ、格段に山が深いことで知られています。そのため登山口へのアクセスも一筋縄ではいきません。しかし本格的な縦走路や静かな稜線歩きを求める人にとっては、まさに”憧れの山域”。私たちもここ数年、この南部エリアを毎年歩くようになりました。
今回計画したのは、 1日目: 畑薙第一ダム→椹島(さわらじま)→赤石小屋→赤石岳→赤石岳避難小屋(泊) 2日目: 赤石岳避難小屋→百間洞→大沢岳→中森丸山→兎岳→聖岳→聖平→椹島(下山)
昨年は芝沢ゲート〜聖岳〜光岳、2年前は椹島~赤石岳~悪沢岳~椹島という逆ルートと、少しずつ南部の縦走ルートを開拓しています。今年はまだ未踏の「赤石岳から聖岳の稜線」を歩きたくてこのルートを選びました。
【畑薙第一ダム〜椹島:アクセス攻略が核心部!】
まず悩むのが「登山口までどう行くか?」です。 車で行けるのは畑薙第一ダムまで。近くの新静岡インターから林道を2時間ひた走り、細い道が延々と続きます。とにかく運転に神経を使いました。このアクセスの長さと不便さこそ、南アルプス南部が”山好きの聖地”といわれるゆえんですね。
到着した畑薙第一ダムは、広い駐車場があります。私たちは前日の夜入りし、車中泊。この時期は特に冷え込むので、防寒対策も忘れずに!
翌朝は、東海フォレストの専用バスで椹島へ向かいます。 注意が必要なのは、このバス「宿泊付き予約者しか乗れない」こと。東海フォレストが運営する山小屋や避難小屋の宿泊がバス乗車の条件です。 (※テント泊派の方は要注意!私たちもバスに乗るため今回は小屋を利用しました)
▶ バス予約の裏技・ポイント
- 山小屋宿泊予約と同時にバスも予約。
- 予約定員分バスは増便されますが、早めに並ぶことで最初のバスに乗れ、登山開始も早くなります。(私たちは朝5時起きで準備をして6:30から並び、7:30の始発の1台目に乗れました)
- バスに揺られること約1時間、山深い林道を経てついに椹島登山基地へ。
【縦走1日目 椹島〜赤石岳避難小屋】
始発のバスで椹島へ到着したら、一息ついていざスタート。赤石小屋までは、整備はされていますが、とにかく急登が続きます。道中には「1/5、2/5…」と現在地の看板が立っているので目安に。
歩荷返しと呼ばれる最後の急登を登り切れば、尾根道となり、じきに赤石小屋へ到着。ここからいよいよ赤石岳を目指します。
▼ 水の確保が最大のポイント
赤石小屋には一応水は売っていますが、「持参が原則」と案内されます。赤石避難小屋には水場がないので、最終水場で翌日分まで必ず確保が必要!私たちは2人で4Lほど担ぎ上げ、重さに苦しみました…。
最終水場は、沢の水を直接汲むので、気になる人は浄水器があると安心かもしれません。

今回、私たちはこれを持っていきました↓
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これがあると、いざという時に水の確保ができるので重宝しています。
赤石岳へはトラバースと急登の連続。最後の水場を越えた荷物はわずか数歩でも重く、体力をじわじわ削ります。それでも焦らず一歩ずつ登れば確実に稜線が近づいてきます。
▼ 稜線の絶景と赤石岳
稜線に出ると、北は甲斐駒・北岳、南は悪沢、そして翌日歩く聖岳と、絵画のようなパノラマが広がります。天気にも恵まれ、風は強かったですが最高の展望。どの山も大きくて、歩いてきた実感が湧きます。
【赤石岳避難小屋の宿泊レポート】
赤石岳避難小屋は「避難小屋」と名がついていますが、常駐の管理人さんがいるしっかりした山小屋です。収容人数は10名ほどとこじんまり。荷物置き場が設けられ、2階には広々とした仕切りの寝床。シュラフ・毛布・枕+追加寝具も用意されていて、かなり快適な環境です!
こたつ本棚で本を読んだり、宿泊者同士で山談義に花を咲かせたりと、テント泊とはまた違った温かなひと時が過ごせました。小屋自体もアットホームな雰囲気で落ち着きます。
夕方にはヘリによる荷揚げ作業のお手伝いも体験。普段見られない山小屋運営の裏側も垣間見られ、貴重な時間でした。

【最後に|南アルプス南部は”山好き”のパラダイス】
南アルプス南部はアクセスもルートも「一筋縄ではいかない」山域ですが、その大変さも含めて、味わう価値のある本格縦走ルートです。少しでもこれから計画を立てようとする方のヒントになれば嬉しいです。
次回は、体力勝負の2日目(赤石避難小屋~聖岳~椹島下山)をレポートします。 南アルプス南部の山旅、ぜひ挑戦してみてください!